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pubDate: 2024-03-24

author: sakakibara

有限要素法

直交多項式

直交多項式は数学、数値計算と理論の両方の多様な領域で多く応用されています。 今回では、高次形状関数の適切な設計において重要な役割を果たします。

Jacobi多項式族

Jacobi多項式族のクラスは以下のように定義されます。

Pn,α,β(x)=12nn!(1x)α(1+x)βdndxn[(1x)α+n(1+x)β+n]P_{n, \alpha, \beta}(x) = \frac{1}{2^n n!} \left(1 - x\right)^{\alpha} \left(1 + x\right)^{\beta} \frac{d^n}{dx^n}[(1 - x)^{\alpha + n} (1 + x)^{\beta + n}]

ヤコビ多項式は直交多項式の中で重要な立ち位置を占めています。 ヤコビ多項式は以下のJacobi微分方程式を満たします。

(1x2)d2dx2Pn,α,β(x)+(βα(α+β+2)x)ddxPn,α,β(x)+n(n+α+β+1)Pn,α,β(x)=0(1 - x ^2)\frac{d^2}{dx^2}P_{n, \alpha, \beta}(x) + (\beta - \alpha - (\alpha + \beta + 2)x)\frac{d}{dx} P_{n, \alpha, \beta}(x)+ n(n + \alpha + \beta + 1)P_{n, \alpha, \beta}(x) = 0

ただし、(α,β>1)(\alpha, \beta > -1)は実数のパラメータである。 さて、I=(1,1)I=(-1, 1)とし、以下の重み

wα,β(x)=(1x)α(1+x)β\mathcal{w}_ {\alpha, \beta}(x) = (1 - x)^\alpha (1 + x)^\beta

を持ち、22乗可積分な関数全体

uα,β2=11u(x)2wα,β(x)dx||u||^2_{\alpha, \beta} = \int_{-1}^{1} |u(x)|^2 \mathcal{w}_ {\alpha, \beta}(x)dx

を集めた空間をLα,β2(I)L^2_ {\alpha, \beta}(I)とする。

ここで、任意のuLα,β2(I)u\in L^2_ {\alpha, \beta}(I)は以下のように展開できる。

u(x)=n=0cnPn,α,β(x),limNun=0NcnPn,α,βLα,β2=0u(x) = \sum_{n=0}^{\infty} c_n P_{n, \alpha, \beta}(x), \quad \lim_{N\to \infty}|| u - \sum_{n=0}^{N}c_n P_{n, \alpha, \beta} ||_ {L^2_{\alpha, \beta}} = 0

Jacobi多項式の直交性は以下のように表される。

11Pn,α,β(x)Pm,α,β(x)wα,β(x)dx={en,α,βn=m0nm\int_{-1}^{1} P_{n, \alpha, \beta}(x)P_{m, \alpha, \beta}(x)\mathcal{w}_ {\alpha, \beta}(x)dx = \begin{cases} e_{n, \alpha, \beta}& n = m \\ 0 & n\neq m \end{cases}

ただし、

en,α,β=2α+β+12n+α+β+1Γ(n+α+1)Γ(n+β+1)Γ(n+1)Γ(n+α+β+1)e_ {n, \alpha, \beta} = \frac{2^{\alpha + \beta + 1}}{2n + \alpha + \beta + 1}\frac{\Gamma(n + \alpha + 1)\Gamma(n + \beta + 1)}{\Gamma(n + 1)\Gamma(n + \alpha + \beta + 1)}

ここで、Γ\Gammaはガンマ関数である。 係数cnc_nは以下のように計算される。

cn=1en,α,β11u(x)Pn,α,β(x)wα,β(x)dxc_n = \frac{1}{e_{n, \alpha, \beta}}\int_{-1}^{1} u(x)P_{n, \alpha, \beta}(x)\mathcal{w}_ {\alpha, \beta}(x)dx

また、次の関係式が成り立つ。

ddxPn,α,β(x)=2kΓ(n+k+α+β+1)Γ(n+α+β+1)Pnk,α+k,β+k\frac{d}{dx}P_{n, \alpha, \beta}(x) = 2^{-k}\frac{\Gamma(n + k + \alpha + \beta + 1)}{\Gamma(n + \alpha + \beta + 1)}P_{n-k, \alpha+k, \beta+k}

Lobatto形状関数

以下のように定義する。

l0(x)=1x2,l1(x)=1+x2lk(x)=1Lk11xLk1(t)dt,k2\begin{aligned} l_0(x) &= \frac{1 - x}{2}, \quad l_1(x) = \frac{1 + x}{2} \\ l_k(x) &= \frac{1}{||L_{k-1}||}\int_{-1}^{x}L_{k-1}(t)dt, \quad k \le 2 \end{aligned}

ここで、(1.42)からLk1=2/(2k1)||L_{k-1}|| = \sqrt{2 / (2k - 1)}である。 明らかに、lk(1)=0,k=2,3,l_k(-1) = 0, k = 2, 3,\ldotsにたいして、 これは、LkL_kからL0=1L_0 = 1への高次Legendre多項式直交性は次のように表される。

11Lk(x)dx=0k1\int_{-1}^{1}L_k(x)dx = 0 \quad k \ge 1

(これはミスか?) Lobatto形状関数l0,l1,l2,,lpl_0, l_1, l_2, \ldots, l_pは区間(1,1)(-1, 1)における次数ppの多項式Pp(1,1)P_p(-1, 1)空間の完備な基底を形成する。 ここで、参照のため、リストを示す。

l2(x)=1232(x21)l3(x)=1252(x21)xl4(x)=1872(x21)(5x21)l5(x)=1892(x21)(7x23)xl6(x)=116112(x21)(21x414x2+1)\begin{aligned} l_2(x) &= \frac{1}{2}\sqrt{\frac{3}{2}}(x^2 - 1) \\ l_3(x) &= \frac{1}{2}\sqrt{\frac{5}{2}}(x^2 - 1)x \\ l_4(x) &= \frac{1}{8}\sqrt{\frac{7}{2}}(x^2 - 1)(5x^2 - 1) \\ l_5(x) &= \frac{1}{8}\sqrt{\frac{9}{2}}(x^2 - 1)(7x^2 - 3)x \\ l_6(x) &= \frac{1}{16}\sqrt{\frac{11}{2}}(x^2 - 1)(21x^4 - 14x^2 + 1) \\ \end{aligned}

Lobatto形状関数は階層形状関数の設計について非常に重要な役割を果たす。

kernel関数

kernel関数は高次Lobatto形状関数l2,l3,l_2, l_3, \ldotsを積に分解することができ、便利であり、以下のように分解される。

lk(x)=l0(x)l1(x)ϕk2(x),2kl_k(x) = l_0(x)l_1(x)\phi_{k-2}(x), \quad 2 \ge k

2k2 \ge kでの全ての関数lkl_kに対しては±1\pm 1で値が00になるので、kernel関数ϕk1, k=2,3,\phi_{k-1}, \ k=2, 3, \ldotsk2k-2次数の多項式である。 リストを示す。

ϕ0(x)=232ϕ1(x)=252xϕ2(x)=1272(5x21)ϕ3(x)=1292(7x23)xϕ4(x)=14112(21x414x2+1)\begin{aligned} \phi_0(x) &= - 2\sqrt{\frac{3}{2}} \\ \phi_1(x) &= - 2\sqrt{\frac{5}{2}}x \\ \phi_2(x) &= - \frac{1}{2}\sqrt{\frac{7}{2}}(5x^2 - 1) \\ \phi_3(x) &= - \frac{1}{2}\sqrt{\frac{9}{2}}(7x^2 - 3)x \\ \phi_4(x) &= - \frac{1}{4}\sqrt{\frac{11}{2}}(21x^4 - 14x^2 + 1) \\ \end{aligned}

kernel関数ϕ0,ϕ1,\phi_0, \phi_1, \ldotsは高次形状関数を三角形や四面体で定義するために使う。